iLs, Integrated Listening Systems 統合リスニングシステムとは
刺激を与えれば脳は変化する、つまり『脳の可塑性』に基づいています。音楽で耳から脳への刺激を!
SSPが受動的な介入だとするとiLs Focus Systemsは積極的な介入です。SSPが静かな環境でリラックスして受動的に聴くのみ、であるのに対し、iLs Focus Systemsは1セッション60分のリスニングのうち、最初の15分かそれ以上、感覚統合他を促す運動を加えます。骨伝導の効果を生かすリスニングトレーニングは他にも複数ありますが、この運動を同時に行うことが大きな違いを生みます。作用機序と裏付けの研究については英文の場合こちらをご参照ください。
iLs統合リスニングシステムは、自閉症、発達障害、学習遅滞、多動、感覚障害、識字障害、書字障害に有効な療法です。開発以降、10年以上に渡り7,000人以上の人が30か国でiLsプログラムを受け、効果を認めています。Ron Minson博士がiLsを開発した経緯はトップページでも既にご紹介している「脳はいかに治癒をもたらすか」の第8章「音の橋」紀伊国屋書店に記載されていますので、ぜひご一読ください。
アメリカではADHD, ADD, SPD(Sensory Processing Disorder 感覚処理障害)に対し、感覚統合 (Sensory Integration) が最も効果の高い治療法として主流になっていますが、iLsがこの感覚統合とリスニングを組み合わせた相乗効果で大きく抜きん出ています。学校の補助金でiLs, Focus Systems他の機器を購入して、研修した先生方が子供達と一緒に取り組んでいます。
ASD 自閉症スペクトラムについても、身体的な落ち着かなさ、不器用さ、感覚過敏、逆に鈍さ、バランスの悪さのような、感覚統合の問題も抱えている場合が60%以上で、身体のうまくいかない感じが社会性を伸ばすのを邪魔していることがわかってきています。
自分の感情のコントロールがうまくいかず、パニックになりやすかったりするお子さんについて、<co-regulation 人とのつながり⇄自分の調整 self-regulation >の相互作用がうまく働くようになるには感覚統合の問題を先になんとかする必要がある場合が多いのです。ASDの子でもiLsで随分身体面が落ち着くと、人と目が合いやすく、また自然な感情の共有がスムーズになる、例えば、ちらっと目があっただけで「あれ、どうかした?」と相手の顔の表情や様子を見て気付き、考える様子が増えたりする例が増えてきました。1〜3ヶ月で社会性の準備が整い、その後の親子での仕事(親が子供の思考の過程をガイドする、RDIの基本)がぐっと楽になったりします。
Dreampad
骨導 Bone conductionを使って音楽を聴くものです。スマホと接続して音楽を選んで枕に頭を置いて寝るだけです。ただのよく眠れる枕?環境音楽を聞いて寝るのと同じ? そうではありません。
骨導は身体の前庭系(バランスをとるなどの機能を司る感覚)刺激です。良質な睡眠を必要な時間とることは、脳のあらゆる滞りを解いて流れを改善する(その滞り=睡眠不足が最終的に認知症発症の原因でもある)のに貢献しますが、骨導自体が身体全体へ働きかけ、多岐にわたる不調、例えば不安や気分の落ち込みなどを改善することに驚きます。
iLsのリスニングトレーニングを始めようと思ってもヘッドセットが嫌で使い始めがうまくいかないことがあります。そういうお子さんには2週間くらい前から骨導に慣れるために使い始めることをお勧めしています。
効果としては、もちろん入眠がスムーズになる、途中覚醒がなくなり睡眠の質が上がる、長く眠れるようになる、目覚めがすっきり、疲れが眠ることでしっかりとれる、などたくさんの睡眠に関する報告があります。しかも、これを使ってよく眠れたことで、おそらく脳の成長が加速するため、言葉が出るようになる、トイレトレーニングがこれをきっかけに進歩した、気持ちが落ち着くことで穏やかに人と接するようになった、など報告も無数にあります。
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自閉症専門カウンセリングルーム PYC子育てラボのウェブサイトへようこそ!
当カウンセリングルームでは以下のようなご相談をご両親からよく頂きます。
<よく聞く心配ごとTOP5>
お子さんのどんなことに悩んでいらっしゃいますか。よろしければ一度お話にいらしてみませんか?
アメリカでのトレーニングを取り入れ日本の心療内科で19年の経験を持つ臨床心理士が、お子さんに最適なケアをご提案します。
・自閉症(自閉症スペクトラム症)について詳しく知りたい方:
・自閉症ケアについて一般的な流れを知りたい方:
→「子供が自閉症と言われたらどこへ行く、横浜市2019年版」
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・家庭でできる、関わりながら様子を見る時のポイントが知りたい方:
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横浜市中区不老町1-2-1 中央第6関内ビル302
こんにちは。すっかりブログをご無沙汰しております。自閉症専門カウンセリングルーム、臨床心理士の菅原です。
なんと7月が今日で終わってしまうのですね。湿気も多くて曇りか雨の日ばかり。。。調子がなかなか整わず、辛いですね。コロナの状況も厳しく、先が見えない感じが続きます。
一方、その間私は何をしていたのかというと...
ポリヴェーガル理論てなんなのだろう、ということについて、だいぶシンプルに伝えることができるようになりました。理論に基づき開発された Safe & Sound Protocol™️を実践するうちに、実際体験されたクライアントさんからの声を伺い、整理されてきたのです。
ポリヴェーガル理論が提唱する、自律神経システムが「安心」「安全」を感じるための要素は3つあります。
上の図は、Deb Dana によるもので、最新のSSP Digital Facilitation Certificateの研修で使われたイメージです。
このご無沙汰の間、Safe & Sound Protocol™️をリモート配信で、お付き合いの長いクライアントさんの皆様にプロジェクトご参加いただいています。ここまでの呼吸プロファイル関連研究からベストの効果をあげるよう、それぞれの方に合わせた準備とフォローアップを行う形式です。上の図は現在SSPが与える効果について各神経系とのつながりがわかるものです。
そしてなんとこの間!日本臨床心理士会新型コロナウイルス対策援助対象に認定されました。
疾病への効果・関連研究も進んでいます。
SSPのFacebookでここ数年多く、親御さんからの問い合わせが続くのはPANDA、小児自己免疫性の精神神経疾患のお子さんに効果があるのか、ということです。ほかにも遺伝性の疾患、例えばプラダウイリーPWSについては継続した臨床研究が行われています。
大人も子供も、試していただくうちに、よくあるのは消化器系の反応。SSPは腹側迷走神経系への刺激、かつその神経伝達はとても早い! 「なんかやだな、学校行くの」となると結構すぐお腹が痛くなる、といった例でもわかる通り、神経システムの反応の中ではとても早いわけです。
こんにちは!自閉症専門カウンセリングルーム、臨床心理士の菅原です。
外出制限も続き、なんだか閉じ込められていて気持ちも上がらない、体調もすぐれない...ダメダメループになりがち、など報道もよく目にします。
ところが!
私のところでいろいろ相談して取り組んでいるお母さん方とお話ししていると、むしろ、この時期だからできることが充実し、よかったかも! とか
子育てする側もエネルギー充填できたりしちゃって、もしかしたらこの時期は棚ぼたかも、
なんてお話が増えてまいりました。
直接お会いして、もらえるエネルギー・相互にやりとりするからこそ生まれる新しいアイディア・限りない発展のチャンスなど、代わりになるものはない。
けれど、今・ここで、何かできることがあるかも、とちっちゃな光が見えると、これも良いかも、あれも良いかもと視界が違ってくる、こんな経験ができるのも、引き続きお付き合いいただいているから。
本当にありがたいことです。
話はテーマに戻りまして、こちらは自分の声と骨、脳のループのフィードバックを使うサウンドセラピーツールです。
ForBrainは、イギリスの教育に関係するテクノロジーに与えられる賞 Bett Award(2015)など、数々の評価もあり、家庭だけでなく、学校・セラピーセンター・言語聴覚士セラピーなどで長年使われています。
私のところでは、基本的な聴覚処理の様子と合わせて身体・感覚・認知各領域についてアセスメントした上で、リスニングプログラムで聴覚処理を整えながら、あるいはある程度調整がうまく進んだところで、ご家庭にお貸しして使っていただくことが多いです。
来談して試していただく、あるいはサウンドセラピーのセッションでヴォイスプロなど使って調整していくことが難しい情勢で、特にフォーブレインをご自宅で並行して使っていただくことが発達支援ツールの一つとして、より大事になってきます。
これまで時々安くなるセール期間にブログでご案内してきましたが、今後アフィリエイト利用で40%安くなるそうです。
◉空導とは
耳の中を通って、空気が振動して伝わってくるのが空気伝導、空導 Air conduction ですね。
図は中耳の構造です。
中耳を通って、3つの小さい骨に伝わる振動を、図のような構造を介して、聴覚神経へ伝え脳神経回路が処理することで、音を脳は受け取ります。
遠方にお住まいのクライアントさまです。
お父さんが、はるばる横浜にお越しになりSSPを体験して導入を決意、実際ホームプログラムを実施したのが昨年の8月でした。
ご自宅で8歳になる息子さんを抱っこ・おんぶしたりしながら、SSP実施。これはいったい??とご家族も不思議に思っていたかもしれません。
SSPを聞いている途中のお顔の写真含め、詳細な報告をいただきました。直後の様子にも少し変化がありましたが、どうなっているかなーと思っておりました。
すると!
1月末にこんな嬉しいメールが届きました。現在続きのホームプログラムを開始するところです。
>菅原靖子様
>あけましておめでとうございます。
>昨年は大変お世話になりました。
>ずいぶん、ご無沙汰してしまいました。
>〇〇もあれから本当にいろいろと変化がありました。
>まずびっくりするほどに明らかな変化で言葉での指示が通るようになりました。
>声かけだけで一緒に過ごすことができます。
>コトバはまだはっきりと出ませんが、模倣をさせるとお菓子が欲しい時などですが、頑張って模倣するようになっています。
> 外出時にはトイレも身振りですが、明確に教えてくれるようになってきましたし、不快感も感じているようでせかすようになってます。
>以前は車に乗っても助手席が自分の席と思っているようでしたが、最近はお兄ちゃんや妹たちと一緒に過ごしたいようで自分で後部座席のお兄ちゃんと妹の間に座ってます。 外で歩くときもお兄ちゃんと歩くようになりました。
>ほんとに最近ですが、言葉と同じぐらい課題だったトイレの大の方を自分でトイレにいってするようになりました。急に変わったので、こちらもなぜ?とびっくりです。
>菅原さんからSSPをお借りして半年でものすごい勢いで変化してきています
>本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございました。
>以前にご紹介のあったサウンドソリ、ホームプログラムも希望できればと思っています。予定できればと思いますので、ご都合など教えてくださると嬉しいです。
上記のような変化がSSPを通じて起こったということは、
1)聴覚刺激が有効だった:人の声の範囲の周波数に聴覚処理を整えることが言葉・神経システムその他の基礎部分の成長のために有効だった
2)聴覚を窓口とした迷走神経への刺激が「安心と感じるシステム」を稼働させた、五感三覚などから脳に届く「安心」して大丈夫、というメッセージ、ニューロセプションが変わり、周囲からの感覚入力が本来のシステムで処理され神経システムに定着し始めた
3)神経システムが整った結果、トイレの問題は内受容覚につながっている自律神経システムの本来の成長の過程をたどれた結果改善した
といった見方ができます。
SSPの前から、こういった変化がお子さんに起こることはよくありました。対人関係発達支援法 RDI, Relatioship Development Interventionsを通じ、
・自分の表情⇆相手の表情、相手の音調への気づきが増しコミュニケーションがつながった(→安心感、ニューロセプション↑)
・co-regulation(相互調整・相互循環)が増えていく:周りの人とのやり取りが増えて「知りたいから見る」「わかる」「できる」「自分でやりたい」が増す
が大きな要素です。ただ良いサイクルが回り始めて半年はかかる...
よく考えてみるとSSP後半年経ったのと同じことですね。でもすぐ見える変化もある、というのがSSPの特徴です。
SSPは5日間のアプローチで、今回のお子さんの場合は、その前後からご両親の注視・ポイントを押さえた関わり・介入で変化を見た末の6ヶ月だったと言えると思います。
元来SSPは単独で完成するプログラムではなく、目指す改善や成長に合わせて、前後にいろいろなご提案をくっつけて進めています。開始前に準備の音源・リスニング、サウンドセラピーツールを取り入れ、SSP後にも効果を維持し高める介入法をご家庭の状況やお子さんに合わせて選び、お勧めしています。
ちなみにこのご家族は大家族でご兄弟が多く、おじいちゃんおばあちゃんがご一緒にお住まい、お父さんが臨床心理士・公認心理師、お母さんが小学校教諭をされています。車で出かける時の「一緒」うれしいですよね!!
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You can't give up what you hope for your child!! Ask about what we can do for ASD, ADD, ADHD, SPD, Dyslexia, Dysgraphia, Hyperacusis or other problems when children learn to grow, confident in navigating in a dynamic world.
You can book an initial meeting on Mondays, Tuesdays and Thursdays, 9am through 4 pm.
Yasuko Sugawara M. Ed.
Counseling Psychology
SSP & iLs Associate
RDI®Certified Consultant
Certified Clinical Psychologist in Japan