PYC, Play Your Chordの実践がどのように行われており、どんな過程を経て今に至ったか、ご説明します。

 

左のトライアングルは、言葉の発達、精神の発達と安定にはこのトライアングルがぐるぐるとつながるような経験が、たくさん必要、と説明する時に使っています。ただ、このサイクルが上手く機能して発達が進むには、その支えとなる「安心」は変動しながら一定=安定のリズムを刻むこと、つまりは、身体の状況、感覚器官の育ち、感覚統合と原始反射の統合(消失)、自律神経系、特に迷走神経が司る脳-身体のregulation、消化器官や脳の細胞炎症コントロールが必要だと思います。

 

それがどうやったら起こるのか?どれくらい必要か?1999年に心理の仕事を始め、2006年にRDIのコンサルタントとなって以来模索してきました。

 

一つの形式はRDIで日常生活の中で養育者ーお子さんのガイドする、される相互関係を生かし必要な経験を重ねて発達課題をクリア、「子供がなりたい自分になれる」よう、「養育者が夢を叶えていく」よう、コンサルタントがガイドする、パラレルの構造です。構造からして、時間はかかりますが、保護者もお子さんも笑顔が増えていく過程に立ち会える、充実した経験が一緒に目標を立てて取り組んできたことの意味や成果をはっきり示してくれます。RDIの構成や実際に経験された方の声は別のページでご紹介しています。

 

二つ目はRDIのそのお子さんの対人認知の状況を見て、それに合わせて「ガイド」する、直接セラピーの場面でお子さんに私が試し、目の前でお母さん、お父さんがその意図や意味を理解して効果を認めてくださるようなら、こんな考え方でご家庭でもやってみませんか?、コツを教えて、お家でこんなことが丁度良さそうと勧めるセラピストとして、という構造です。

 

そのセラピーセッションは、言葉をぐっと落とし、静かで刺激の少ない空間で、落ち着けたり安心できたり、ということを保証した上で、「一緒にどうかな」と控えめに手を差し出したりして誘う、特に非言語コミュニケーションが鍵になることが多く、ちょっと回り始めると目が合って、RDIの主張し続けてきた Co-regulation やりとり、つながりが続くことが(全くなかったのに少しずつでも)起こることが、保護者の方が驚くほど起こりました。ASDの診断があってもなくても、自閉症のこだわりがあってもなくても、問題が発達障害で多動でも、そうでなくても、穏やかな気持ちになれてセラピストと一緒に何かできる、という時間や経験がその後のお子さんの日々の生活や行動に転換ポイントとなるようでした。

 

また、iLsリスニングシステムの基づく感覚統合理論と自律神経系の安定ベース、SSPのポリヴェーガル理論をもとに、不安が強いため目が合わない、不安の元は身体-中枢神経系・自律神経・迷走神経の協働が上手くいかないこと、と考え、身体の動かし方特に前庭系刺激、固有受容系刺激、聴覚刺激に注目して、セッションの導入を工夫すると、お会いする方(お子さんでも大人でも)と「なんだか合う」接点が起こる頻度と速さが大きく変化しました。

 

お子さんの場合、そのお子さんも保護者の方もみんな違うので一概には言えませんが、そんなセッションを数回繰り返すうちに、あれ、あまり問題はなくなったのかな、改めてお母さんに伺うと、そうですね、あまり困らなくなりました、とコメントが返ってくる場合も多かったです。一体何が問題だったのだろう?もしかしたら、気持ちが安定する、人とやりとりできる、遊べる、相手を見て知りたくなる、はみんなつながっているのはわかっていたけど、発達障害とか関係なく精神の安定=問題とは関係ないところへお子さんを導き、治療的、効果的だということだと思いました。

 

いわゆる精神科デイケアで人とコミュニケーションが取れる、ということがリハビリというか治療の一部であることと、近いけど少し違う。ただポンと集団に入れると難しいけれど、人と向かい合う時間と空間、社会的参照や非言語コミュニケーションを確実に取り入れると、もしかしたら障害や疾病にかかわらず有効なんだ、とRDIコンサルテーションだけでなく、個別ケースでRDIに基づきつつセラピーをやっていくうちに確信するようになりました。

 

もともとRDIが、プログラムの基底にしてきた co-regulation やりとりが繋がること、相互調整を経験することで、ASDの中核症状(人に気持ちがある、とわかり、相手がどう思っているか知ろうとする、つながろう、とすることがない)を養育者を介してガイドすることで改善できる、と主張してきました。アメリカでもやっとRDIの理論に追いつき始めたような段階で、0−3歳プログラム Zero to Three にこの要素を取り入れ始めたところです。また最近になって言語発達支援のプログラムとしてカナダのHanenプログラムが世界の各地で取り入れられていますが、そのプログラムでも結局のところ、どうやりとり、関わるか, やりとり  Interactions に至るところまでどう養育者が導くか、改めて丁寧に設定して取り組んでいる内容です。また、アメリカの国の研究機関 National Scientific Council on the Developing Child が設置する子供発達センター Center on the developming child at Harvard University が挙げる、子供の発達支援の基幹3つの一つは 親子が互いに反応し合う関係を支えること Support Responsive Relationships です。他にServe & Returnというキーワードもあげていますが、RDIから言わせれば今更?です。

 

<co-regulationて何だろう?>

<言葉がなくてもこんな風にco-reg>ビデオでご覧ください

 

また14か月の赤ちゃんの研究で、「co-regulationが起こるとその相手を助けようとする」という結果も出ています。

一緒に揺れてるだけなんですが、その後相手を助けようとする率は有意に高いのです:This demonstration (Laura Cirelli's experiment with music and synchrony in babies)

 

論文:Fourteen-month-old infants use interpersonal synchrony as a cue to direct helpfulness

 

<ガイドする、って何だろう?>

 

脳の可塑性、脳の神経回路のつながりをどう変えていくのか、ノーベル賞生理学・医学賞を受賞したエリック・カンデルが基本7原則の基礎を打ち出しています。

 

続きに基礎資料となる文献と研究のリストを加えます<以下作成中です>

 

 

 

 

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Yasuko Sugawara M. Ed.  Counseling Psychology

iLs Practitioner, RDI® Certified Consultant

Certified Clinical Psychologist in Japan