うつ、パニック、不安にiLsを試してみませんか

迷走神経の刺激の有効性:

脳からつながる神経はどれだけ自分の感じ方に影響するか

 

迷走神経

最近の研究で、かなり色々な病気や障害に迷走神経が非常に大きな関わりがあることがわかってきています。臨床研究では VNS, vagus nerve stimulation と呼ばれる、迷走神経への刺激がうつ、不安、自閉症、脳卒中リハビリに現れる症状を軽減し、身体の感覚システム全体にさえ影響することが示されています。

 

迷走神経への刺激とは(VNS)

 

迷走神経は体に関する情報を脳に伝える役割があります。身体で最も長い神経である、迷走神経は耳に直結しており音の刺激で活性化されると考えられています。この迷走神経を刺激することで脳のダメージを受けている部分が再構成する方向へ促します。

昔からの迷走神経刺激は患者さんの脳への移植のための脳外科手術が必要でした。有効性はあってもこのタイプの迷走神経刺激は危険が大きく、副作用の問題もあります。

 

しかし、経皮VNS(経皮電流)と呼ばれる、侵襲性の低い迷走神経刺激もあり、これならハードルの高い手術をする必要もありません。ヘッドフォンのように耳の中に配置する電極を通じ迷走神経を刺激するやり方です。さらに他に、骨導 bone-conduction があります。 

 

骨導とは 

すべての物質は音を伝えます、伝わり方は物質により異なります。例えば水はクジラの声を遠距離で伝える導体としてよく知られています。人間の声は、あなたが声を発するたびに空気で(外耳へ)伝わるのと同時に骨で(内耳へ)伝わります。録音した自分の声を聞くといつもと違う、と感じるのは、それが空導のみで伝わる自分の声だからで、いつも自分に聞こえているのは身体の内側で伝わる声の共鳴なのです。

 

副交感神経と鎮静

音の振動は骨を通じ、中耳と内耳(蝸牛/前庭器)を取り囲む部分に届きます。この内耳と中耳の部分は聴覚、バランス感覚、身体を動かす時にうまく調整できるcoordination、不要な音をブロックする能力を司ります。またこの2つの部分は迷走神経を通じて副交感神経にもつながっています。私たちが「戦うか、逃げるか」という反応(→パニックや不安、うつとのつながりがあることがわかっています)を起こす元となる交感神経と異なり、副交感神経を刺激することはリラックス反応を促します。 

 

iLsと副交感神経

 

iLsの聴覚プログラムは迷走神経を通じて副交感神経を刺激します。迷走神経は私たちの心拍、発汗、話す時に使う口と喉の筋肉、排尿や消化に影響します。iLsを始める時、大人も子供も多くは「過覚醒」つまりは「戦うか逃げるかしかない」に近い精神状態にあります。優しく副交感神経を刺激することで自律神経のバランスが取れてきます。(自律神経は不随意、自分が気づかないうちに動く、反射的な性質を持つ内臓器官や筋肉を司っています)その結果として人は穏やかに自分の感覚や考えをより楽に表現できるようになります。

 

SSPと迷走神経

 

iLsの聴覚プログラムの中で長年の臨床研究を経て昨年実用化された、SSP, Safe and Sound Protocolというリスニングプログラムがあります。特に脳神経VII(顔面神経)と、脳神経X(迷走神経)が自律神経を調整し、身体・感情の落ち着きをもたらすことに基づき開発されています。SSPで少し精神的に楽になって、iLs Focus Systemを使った骨導と運動の組み合わせセラピーを計画することをおすすめしています。SSPについてはこちらも御覧ください。