この20年いろいろなお子さんや大人の方の、いわゆる「発達障害」「自閉症」の治療に関わるうちに「こんなによくなる」という経験が積み重なり、一方で世の中の自閉症の診断や見方が大きく変わってきた流れを感じています。
この記事では、いわゆる自閉症とはどういうことなのか、ご説明するために3つのポイントに沿いお話しします。
ちょっと古い自閉症の定義
この20年間、自閉症、自閉症スペクトラム障害、自閉スペクトラム症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群、高機能自閉症、などいろいろな呼称とその診断基準が入れ替わりました。
しばらく前までは、判断の基準の例はたとえば、
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でした。
これは、3つとも何か身体の中でうまくいっていないことがある結果として現れている「症状」のようなものだと仮に考えます。以前はこの症状の起こる原因が「脳の障害」脳のどこかに不全があるから仕方がないのだ、という見方でした。
ところが「脳の障害説」はくつがえり、神経発達の問題だという見方に変わります。
新しい自閉症の定義では
明確に変わったのはDSM-Vという国際的な診断基準でした。
診断基準の1つ目の視点は
「コミュニケーション」
2つめが
「繰り返す行動」「こだわり」「執着」「感覚について過敏や鈍さ、他の異常」
の中から2つ以上当てはまるか、
に変わっています。
そして「コミュニケーション」がうまく行っていない様子をいくつか例をあげて説明しています。
・感情の共有
・非言語コミュニケーション(顔の表情、音調、ジェスチャー...)
・相手の視点の想像
・相手への興味...
そうです、コミュニケーションの様子が第一の見極めに必要とし、症状の表れ方を2番目に格下げしているのです。
コミュニケーションの様子については、自閉症的なコミュニケーションの特徴が以前の診断基準と違って具体的に書かれているのですが、大事なところなので別のところで詳述します。だからどうしたらいいか、というところは、このウェブサイトの別のページにも記載しています。
そして、神経発達の問題だ、という定義の転換は
神経の発達がうまくいくよう、工夫できるという意味です。
「脳そのものの不全で治せない」▶︎▶︎▶︎「神経発達の問題」
コロッと転換しました。
脳の神経発達の問題を治していくにはどんな療育をするか
脳神経の発達の問題なら、神経のつながりは経験で変えられます。だから良くできる。
大きな視点の転換ですよね。RDI 対人関係発達支援法が20年余りずっと言い続けてきたことが公式に認められたと思います。
ただ、どんな神経発達を目指してどんな療育をするか、が問題です。
巷では、お子さんの表面に現れる行動に注目して「教えてさせる」やり方が結果が見えやすいため、その一辺倒の療育がずっと続いています。
結果、どうなるか。
教えていないことはできない、自分で気づいて考えて動く、という脳の神経回路の使い方は発達してきません。
また、感覚の問題については教えて治すことはできないですよね。
感覚過敏・感覚の鈍さ・異常についてできることがない、と今でも日本では考えられており、環境調整するのが基本的な潮流です。
けれど例えば、OT, 作業療法の領域で10年以上も前から感覚過敏は治せることがわかっています。少々OTだけでは時間がかかるようですが、アメリカではOTセラピーが保険適用(日本と違って任意保険ですが)されます。効果のエビデンス、研究の裏付けが出ているからでしょう。
日本の療育ではOTセラピーは効果が見えるまで時間がかかる、頻度が足りない、といった状況です。
OT+リスニングのサウンドセラピー, iLs統合システムで「自閉症がみるみる治る」のをアメリカで見た、と語るお母さんもいました。「みるみる治る」ってどんな変化のこと?
2016年頃、まだサウンドセラピーを取り入れ始めて日が浅かったのですが、数ヶ月過ぎてわかりました。
iLs セラピーをすると、自閉症の症状のうち「こだわり」や「感覚過敏」などが少なくなり、目を逸らすことが減るのです。
SSP, Safe & Sound Protocol, ポリヴェーガル理論の影響の大きさ
さらに、Safe & Sound Protocol, SSP を加えサウンドセラピーを連動させると、自閉スペクトラム症の診断を確かに受けていたけれど、一層早い時期に、お子さんによっては数ヶ月のうちに、診断が間違っていたではないかと思うようなケースに多々出会いました。
まるで別の人のように
のを目撃しています。例としてSSPを経験したらこんな様子が見えて驚いた、という報告はこちらです。
聴覚過敏や脳・腸の炎症・免疫の反応を始めとする身体・神経・感覚にかかる負荷・ストレスが高いために、ちょっとしたことでイライラしやすかったりしただけで、自己調整できないわけではなかった...
そして、SSPで社会交流システムが動き始めるのなら
そのお子さんに人と関わる社会交流システムが「ない」のではなく、そのシステムを動かすような余裕が心と身体になかった
ということを、SSPを経験して大きな変化を見せたお子さんたちが教えてくれました。
上の4つの力を備えている人を自閉症というでしょうか?
定義は何だったのでしょう。最初に戻ってみると、もう当てはまらないことにお気づきいただけると思います。
ストレスから解放されればコミュニケーションは伸ばせる
また、自閉症のコミュニケーションの問題については、身体・感覚・神経にかかる負荷を取り除いてみたら、成長を邪魔するものがなくなり改善していけると思うのです。
身体や感覚にかかるストレスが高いせいで自分の調整がうまくいかない様子は、いわゆる自律神経症状と呼ばれ、以下のような現れ方をします。
・睡眠の質が悪い
・疲れが取れず、疲れやすい
・不安が強い、安心できるものにこだわる
・イライラしやすい、パニックになる、すぐキレる
・(落ち着かないから落ち着こうとして)手や足がいつも動いたりする
最後の一つで水俣病の患者さんの症状を思い出します。神経毒の結果でしたね。
そうです。自律神経系を始めとする神経系への負荷が高い時、身体に悪いものがある時こんなことが起こる。
今のお子さんの心配な症状は、身体と脳・感覚器官からの「ツライよー」という叫びではないでしょうか。
ストレスとなるものを取り除けば
こんな本来のコミュニケーションに必要な発達のプロセスをたどれるのです。
そのプロセスでは、
⭐️もともと自然に起こっていたはずの経験の積み重ねが起こっていく
⭐️身体や感覚・神経系が落ち着いて機能していれば記憶もしっかり残る
⭐️本来のそのお子さんらしさが伸びてくる
コミュニケーションの基本となる部分は一つずつ積み上げていけばいいのです。そこはご両親がそばで、じっくり見守り一緒に経験することで、神経のつながりができて、成長のサイクルがうまく回り始めます。
そのサイクルが見えるなら、周囲は「教えてやらせる」必要はなくて「導いて経験させる」ことができるわけです。どんな成長を目標にしていけばいいのか、ご両親と話し合うことができる。カウンセラー冥利につきる瞬間です。
そんな自閉症ではなくなっていくプロセスをこれまでたくさん見てきました。発達検査のような客観的な変化報告も出てきています。
お子さんの神経の状態を整え、身体や感覚・免疫システムなどで安心・安定の妨げとなっているものがないか検討し、取り除いてみませんか。そして、自己調整・社会性発達のスタートラインにお子さんと一緒に立ちましょう。
数年前、ある公的療育施設の面接で「うちは(自閉症は)治らない、と親御さんに言って療育をしているけどそれでもうちで働いてもらえる?」と言われました。私は自閉症は治せると考え取り組む、と主張していたため、あえて確認されたのだと思います。こちらの事情が変わりその施設にご縁はありませんでしたが、その質問が印象に強く残りました。
残念ながら、世の中まだまだ、自閉症は治せないという前提でやってる施設は多いのかもしれませんね。
この記事のまとめ
・自閉症かどうかの判断(診断)はまずコミュニケーションの質、症状(行動)は二の次 ・自閉症は脳の障害ではなく、脳の神経の問題だからどんな経験を積むかで変えられる ・ 自閉症の治療では感覚・身体の問題を解決し、コミュニケーションの発達に取り組もう
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【参考資料】
こんなことから始めよう
(1)静かな、安心できる空間を作ってみよう
テレビやスマホのない、しずかな安心できるお部屋でお子さんと二人で過ごしてみましょう。3分でも十分です。
おもちゃは1つか2つだけ(大好きな、いつも遊んでいるおもちゃではない方がいいです)
できれば、蛍光灯などの人工の光ではなくて自然の光で明るい空間が理想です。
ことばをかける前に、じーっと見つめて、お子さんのからだがどんな感じか眺めてみましょう。
肩に力が入っている?
何かに気を取られている?
どんな表情でしょう
お母さん、お父さんがそこにいるのに気づいてますか。
どうしたの?と見てきますか。
幼稚園や公園などと違い、周囲の音、騒音や刺激がない空間でお子さんがあなたをみて、何かやりとりを始めようとするなら、取り組み方は環境調整と、感覚や刺激の処理がうまくいくよう手伝うことから始めます。
→感覚過敏(聴覚・触覚など)について、どれだけ不安やかんしゃくの原因、コミュニケーションの妨げとなっているか、アセスメントとサウンドセラピーの体験をオススメします。
(2)「一緒に」楽しめるか、試してみましょう
「あ、これなんだろ」
とつぶやいて、同じものを見ようとするかな?見てみましょう。
声や音だけでは、あまり気づかない、注意が向かないなら、
「ズンズンズン」とあまり低すぎない音(いわゆる効果音のイメージで)を出しながら、
少しずつ近づいてみましょう
あるいは
指で、「トントントン」とゆっくり言いながら、指が歩いていきながら
お子さんに近づいてみましょう。
「なあに?」とあなたを見てくれるでしょうか。
もしうまくみてくれるようなら、ゆっくり、こちらに注意を向けてくれた時にことばを1音ずつ、ゆっくり、止めたりしながらかけてみましょう。同じことを感じてニッコリできるか、試す次のステップに進めます。
→もし、しばらく待ち、間接的に促してもあなたに気持ちや注意が向かない時、とても不安が強いために自分の安心できる世界にいるしかないのかもしれません。Safe & Sound Protocol, SSP を試してみることをオススメします。お子さんの、ご両親の目やお顔の表情への注目が変わり、はるかに一緒に取り組みやすくなります。
ことばや発達の遅れがある時、
聴覚(や身体、感覚器官も)が
どう周りの音やことばを受け取っているか?
どう聞こえているか?
が怪しいことが多いです。
おそらく。。。
ことばの音素がうまく聞き取れていない
人の声の周波数帯の聞き取りが弱い
周囲の音が騒音に感じ気持ちが落ち着かない(聴覚過敏が多い)
相手がどんなお顔とお口の形でどんな音を出しているのか、(見てきたかもしれないけれど)ピントがぼやっとしていた
自分の身体がどうなってるか🔀脳神経システムのフィードバックがうまく繋がってない
不安が強い、あるいは身体的感覚的な状態が整わず、姿勢もお顔も下向きだったりして、まず見て、感じて、周囲の音と起こっていることを結びつけて、わかる、がうまくいっていない
などが考えられます。
聴覚処理を整えるには、iLs統合リスニングシステムをセラピーで取り入れるのが一番です。一つずつ必要な身体・感覚の成長の過程をターゲットにできるからです。お子さんが週1-3回通える場合セラピーが先です。
もし1〜2ヶ月に1度の頻度で面談が可能なら「ホームプログラム」がオススメです。サウンドセラピーの機器をご自宅で使っていただき、Chatworkなどで連絡をとり内容や活動をガイドします。聴覚トレーニングはご自宅での週2−3回、うまく取り入れられるなら週5回が理想的です。
聴覚トレーニングがお子さんやご家庭、ご家族のスケジュールに合っていると判断できた時、サウンドソリなどを組み入れたプログラムをお勧めします。
また相談の過程で、身体や感覚と人との関わりの様子に大きな波や揺れがあるかどうか、伺います。もしあるようなら、生活の中の食事の関係について詳しくお尋ねします。
アトピーやアレルギーという医学的な診断のつく範囲にあるか、ではなくて、身体と感覚・免疫システムの反応が「自己調整」「参照」「記憶」特に「ワーキングメモリ」と大きく関わっているからです。
どのような環境物質にさらされている可能性があるか、肌に触れるもの、空気、口や粘膜から身体に入るもの、ワクチンなどに含まれる保存料、特に精製された砂糖・保存料・着色料・人口甘味料・輸入小麦粉で作られた食品・乳製品・特定のビタミン・ミネラル不足、さらにはスクリーンタイム(スマホ・テレビ・you-tube)など、生活の中でどれだけ触れていて調子と連動しているか、可能性も考えます。
日本で最初に SSP, Safe & Sound Protocol を導入したPYC子育て支援ポータルが、サウンドセラピーの最新ホームプログラム、サウンドソリ Soundsory を療育の2つ目のジャンプ台として取り入れます。
あなたのお子さんの療育には「どうしてこれをやるのか」「なぜこれが効果があるか」と説明がありますか?
発達や言葉の出遅れの原因となっている感覚器官の育ち、感覚統合につながる聴覚刺激と運動を取り入れ、追いつく時に不可欠な対人関係能力を細やかにフォローするプログラムです。
まずは「言葉が出てほしい」かもしれない、でもその次は?
「まず言葉が出てほしい」が療育のご相談の中で、一番多い最初の目標です。確かに
自分の気持ちや経験を言葉で言える
ようになると、相当楽になり、ストレスも減り、周りとうまくやっていけるようになります。そこまでにはどんな過程があるでしょうか。
「ドキドキしたりするけど、ふーっと、少し時間をとって落ち着く」
これを「自己調整」self-regulation と呼びます。
この過程、相手を見て(参照)、自分が落ち着く、相手の身体・精神状況と連動する感じを「相互調整」co-regulationと呼びます。
自閉症専門カウンセリングルーム PYC子育てラボのウェブサイトへようこそ!
当カウンセリングルームでは以下のようなご相談をご両親からよく頂きます。
<よく聞く心配ごとTOP5>
お子さんのどんなことに悩んでいらっしゃいますか。よろしければ一度お話にいらしてみませんか?
アメリカでのトレーニングを取り入れ日本の心療内科で19年の経験を持つ臨床心理士が、お子さんに最適なケアをご提案します。
・自閉症(自閉症スペクトラム症)について詳しく知りたい方:
・自閉症ケアについて一般的な流れを知りたい方:
→「子供が自閉症と言われたらどこへ行く、横浜市2019年版」
・当ルームのサービスの流れや特長を知りたい方:
・当カウンセラーのプロフィールや考えを知りたい方:
・家庭でできる、関わりながら様子を見る時のポイントが知りたい方:
PYC子育てラボ(自閉症専門カウンセリングルーム)
〒231-0032
横浜市中区不老町1-2-1 中央第6関内ビル302
こんにちは。すっかりブログをご無沙汰しております。自閉症専門カウンセリングルーム、臨床心理士の菅原です。
なんと7月が今日で終わってしまうのですね。湿気も多くて曇りか雨の日ばかり。。。調子がなかなか整わず、辛いですね。コロナの状況も厳しく、先が見えない感じが続きます。
一方、その間私は何をしていたのかというと...
ポリヴェーガル理論てなんなのだろう、ということについて、だいぶシンプルに伝えることができるようになりました。理論に基づき開発された Safe & Sound Protocol™️を実践するうちに、実際体験されたクライアントさんからの声を伺い、整理されてきたのです。
ポリヴェーガル理論が提唱する、自律神経システムが「安心」「安全」を感じるための要素は3つあります。
上の図は、Deb Dana によるもので、最新のSSP Digital Facilitation Certificateの研修で使われたイメージです。
このご無沙汰の間、Safe & Sound Protocol™️をリモート配信で、お付き合いの長いクライアントさんの皆様にプロジェクトご参加いただいています。ここまでの呼吸プロファイル関連研究からベストの効果をあげるよう、それぞれの方に合わせた準備とフォローアップを行う形式です。上の図は現在SSPが与える効果について各神経系とのつながりがわかるものです。
そしてなんとこの間!日本臨床心理士会新型コロナウイルス対策援助対象に認定されました。
疾病への効果・関連研究も進んでいます。
SSPのFacebookでここ数年多く、親御さんからの問い合わせが続くのはPANDA、小児自己免疫性の精神神経疾患のお子さんに効果があるのか、ということです。ほかにも遺伝性の疾患、例えばプラダウイリーPWSについては継続した臨床研究が行われています。
大人も子供も、試していただくうちに、よくあるのは消化器系の反応。SSPは腹側迷走神経系への刺激、かつその神経伝達はとても早い! 「なんかやだな、学校行くの」となると結構すぐお腹が痛くなる、といった例でもわかる通り、神経システムの反応の中ではとても早いわけです。
こんにちは!自閉症専門カウンセリングルーム、臨床心理士の菅原です。
外出制限も続き、なんだか閉じ込められていて気持ちも上がらない、体調もすぐれない...ダメダメループになりがち、など報道もよく目にします。
ところが!
私のところでいろいろ相談して取り組んでいるお母さん方とお話ししていると、むしろ、この時期だからできることが充実し、よかったかも! とか
子育てする側もエネルギー充填できたりしちゃって、もしかしたらこの時期は棚ぼたかも、
なんてお話が増えてまいりました。
直接お会いして、もらえるエネルギー・相互にやりとりするからこそ生まれる新しいアイディア・限りない発展のチャンスなど、代わりになるものはない。
けれど、今・ここで、何かできることがあるかも、とちっちゃな光が見えると、これも良いかも、あれも良いかもと視界が違ってくる、こんな経験ができるのも、引き続きお付き合いいただいているから。
本当にありがたいことです。
話はテーマに戻りまして、こちらは自分の声と骨、脳のループのフィードバックを使うサウンドセラピーツールです。
ForBrainは、イギリスの教育に関係するテクノロジーに与えられる賞 Bett Award(2015)など、数々の評価もあり、家庭だけでなく、学校・セラピーセンター・言語聴覚士セラピーなどで長年使われています。
私のところでは、基本的な聴覚処理の様子と合わせて身体・感覚・認知各領域についてアセスメントした上で、リスニングプログラムで聴覚処理を整えながら、あるいはある程度調整がうまく進んだところで、ご家庭にお貸しして使っていただくことが多いです。
来談して試していただく、あるいはサウンドセラピーのセッションでヴォイスプロなど使って調整していくことが難しい情勢で、特にフォーブレインをご自宅で並行して使っていただくことが発達支援ツールの一つとして、より大事になってきます。
これまで時々安くなるセール期間にブログでご案内してきましたが、今後アフィリエイト利用で40%安くなるそうです。
◉空導とは
耳の中を通って、空気が振動して伝わってくるのが空気伝導、空導 Air conduction ですね。
図は中耳の構造です。
中耳を通って、3つの小さい骨に伝わる振動を、図のような構造を介して、聴覚神経へ伝え脳神経回路が処理することで、音を脳は受け取ります。
遠方にお住まいのクライアントさまです。
お父さんが、はるばる横浜にお越しになりSSPを体験して導入を決意、実際ホームプログラムを実施したのが昨年の8月でした。
ご自宅で8歳になる息子さんを抱っこ・おんぶしたりしながら、SSP実施。これはいったい??とご家族も不思議に思っていたかもしれません。
SSPを聞いている途中のお顔の写真含め、詳細な報告をいただきました。直後の様子にも少し変化がありましたが、どうなっているかなーと思っておりました。
すると!
1月末にこんな嬉しいメールが届きました。現在続きのホームプログラムを開始するところです。
>菅原靖子様
>あけましておめでとうございます。
>昨年は大変お世話になりました。
>ずいぶん、ご無沙汰してしまいました。
>〇〇もあれから本当にいろいろと変化がありました。
>まずびっくりするほどに明らかな変化で言葉での指示が通るようになりました。
>声かけだけで一緒に過ごすことができます。
>コトバはまだはっきりと出ませんが、模倣をさせるとお菓子が欲しい時などですが、頑張って模倣するようになっています。
> 外出時にはトイレも身振りですが、明確に教えてくれるようになってきましたし、不快感も感じているようでせかすようになってます。
>以前は車に乗っても助手席が自分の席と思っているようでしたが、最近はお兄ちゃんや妹たちと一緒に過ごしたいようで自分で後部座席のお兄ちゃんと妹の間に座ってます。 外で歩くときもお兄ちゃんと歩くようになりました。
>ほんとに最近ですが、言葉と同じぐらい課題だったトイレの大の方を自分でトイレにいってするようになりました。急に変わったので、こちらもなぜ?とびっくりです。
>菅原さんからSSPをお借りして半年でものすごい勢いで変化してきています
>本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございました。
>以前にご紹介のあったサウンドソリ、ホームプログラムも希望できればと思っています。予定できればと思いますので、ご都合など教えてくださると嬉しいです。
上記のような変化がSSPを通じて起こったということは、
1)聴覚刺激が有効だった:人の声の範囲の周波数に聴覚処理を整えることが言葉・神経システムその他の基礎部分の成長のために有効だった
2)聴覚を窓口とした迷走神経への刺激が「安心と感じるシステム」を稼働させた、五感三覚などから脳に届く「安心」して大丈夫、というメッセージ、ニューロセプションが変わり、周囲からの感覚入力が本来のシステムで処理され神経システムに定着し始めた
3)神経システムが整った結果、トイレの問題は内受容覚につながっている自律神経システムの本来の成長の過程をたどれた結果改善した
といった見方ができます。
SSPの前から、こういった変化がお子さんに起こることはよくありました。対人関係発達支援法 RDI, Relatioship Development Interventionsを通じ、
・自分の表情⇆相手の表情、相手の音調への気づきが増しコミュニケーションがつながった(→安心感、ニューロセプション↑)
・co-regulation(相互調整・相互循環)が増えていく:周りの人とのやり取りが増えて「知りたいから見る」「わかる」「できる」「自分でやりたい」が増す
が大きな要素です。ただ良いサイクルが回り始めて半年はかかる...
よく考えてみるとSSP後半年経ったのと同じことですね。でもすぐ見える変化もある、というのがSSPの特徴です。
SSPは5日間のアプローチで、今回のお子さんの場合は、その前後からご両親の注視・ポイントを押さえた関わり・介入で変化を見た末の6ヶ月だったと言えると思います。
元来SSPは単独で完成するプログラムではなく、目指す改善や成長に合わせて、前後にいろいろなご提案をくっつけて進めています。開始前に準備の音源・リスニング、サウンドセラピーツールを取り入れ、SSP後にも効果を維持し高める介入法をご家庭の状況やお子さんに合わせて選び、お勧めしています。
ちなみにこのご家族は大家族でご兄弟が多く、おじいちゃんおばあちゃんがご一緒にお住まい、お父さんが臨床心理士・公認心理師、お母さんが小学校教諭をされています。車で出かける時の「一緒」うれしいですよね!!
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You can't give up what you hope for your child!! Ask about what we can do for ASD, ADD, ADHD, SPD, Dyslexia, Dysgraphia, Hyperacusis or other problems when children learn to grow, confident in navigating in a dynamic world.
You can book an initial meeting on Mondays, Tuesdays and Thursdays, 9am through 4 pm.
Yasuko Sugawara M. Ed.
Counseling Psychology
SSP & iLs Associate
RDI®Certified Consultant
Certified Clinical Psychologist in Japan