集中力・ADD・リスニングについて(1)こころのテープ録音

ブログご無沙汰しています。iLs, Integrated Listening Systemを使い始め色々な効果を感じています。紹介のために、トマティス、ポール・マドールの流れも再確認していて、いくつかのポイントを改めてとりあげたいと思いました。ポールはトマティスの元で学習障害をすっかり治してもらい大学へ進みリスニングセラピーを独自の方向へ発展させた人です。何回かに渡り、ポール・マドールの著書「リスニングが目覚めるとき」When Listening Comes Alive(1994), Paul Madaule から引用します。日本にはPaulのトレーニングを受けた人が井上さんしかおらず、その井上さんご夫妻の翻訳です。

 

一回目は集中力とは?リスニングがどう集中力と関係するか?飲食物との関係、「自分のこころにメッセージを録音する」についてです。

 

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学習障害を抱えた子どもたちの先生方からよく聞く不満は、彼らの注意持続時間が短いことです。ADD(Attention Deficit disorder、注意欠陥障害)という言葉が1990年代には日常的な言葉になってしまいました。この障害は、散漫性、白昼夢、集中力欠如落ち着きのなさ、多動性、といった色々な出方をします。

 

長年仕事で子供達と付き合った結果、私の中では、注意持続時間とは長い時間ちゃんと聴ける力、すなわち「リスニングにと時間要素を加えたものだ」という結論に達しました。長い授業時間を過ごすには、この能力がどれだけ大切かを想像できます。この注意持続時間を延ばす最も良い方法は、私が知る限りでは聴覚に働きかけることです。

 

他方、集中力とは「自分自身の考えていることを聴く」ために無駄な情報を捨て去る能力です。少なくとも低年齢の子にとっての集中とは、「人の考えを聴くこと」(かなりの程度、心を聴くこと)とみなすことができます。子供によっては、どのように集中力が働くかを上手く表してくれることがあります。ある質問をされた時、彼らは「考えさせて」と言います。そして、自分自身の中に入り込み、(しばしば目を閉じて)まるで内面から出てくる答えを聞かなければならないかのように、自分の中での対話をするのです。

 

学校で子供の注意持続時間を最大に伸ばす支援は、彼らのリスニング力を最大にする支援と同じです。子供の学習意欲を燃やし続け、多くの感覚刺激を与えることでその手伝いができます。それにはまず、先生の声による感覚刺激から始めます。そして「無駄な」周囲の騒音を減らします。

 

(以下中略。先生の側の工夫について)

 

外見とは逆に多動性の子供はエネルギーが強すぎるわけではありません。むしろエネルギーをコントロールする力が弱い子供なのです。絶えず感覚情報の刺激を受けています。他の子と違うのはエネルギーが適正な方向に向いていないことです。そのため体からも心からもエネルギーが失われるのです。このエネルギーの浪費の結果この子は疲れやすくて様々な注意欠陥状態を示します。時にはすぐに眠ってしまう傾向があるかもしれません。(中略。多動の2タイプについて)

 

扱いが難しく、感情に駆られた振る舞いをする子供たちが全て多動というわけではありません。彼らの多くは家庭でのストレス状態や学校で難しい子供であるというプレッシャーに単純に反応しているだけです。それが彼らのストレス解消法なのです。言葉遊びになりますが、私はこの状態を「過反応(hyperreactive)」と呼びたいと思います。

 

「多動」とされる子供の場合、大抵はファミリーカウンセリングが答えです。子供が学校で「過反応」する場合、その個々の学校がどの程度その子に適しているかを見直した方が賢明かもしれません。多くの過反応を示す子供達の「暴走」はリスニング問題のために、彼らがはっきりと言いたいことをしゃべることができないために起こります。

 

「多動性」を抱えた子供には、運動のような身体エネルギーを適切な方向に導く活動を強く勧めます。運動という活動は皆、こういう多くの子供達にかけている体のコントロールを良くする方向へ持っていくのです。武道も、多動性の子供達にかなり一般的傾向である、感情的で攻撃的な傾向を抑制するのに役立ちます。武道は体の耳に働きかけるからです。

 

多動の子供達は、まず行動し、後から考える(遅すぎるのですが)という印象をよく与えるものです。興味深いことに多動の子供達は、言葉の問題や学習問題を持った子供達と同じく、年少の時期に自分用のおまじない言葉を使うことをほとんどせず、使った経験もないということです。これは、彼らが過去にも、おそらく今でもまだ、自分自身が言っている言葉を聞く経験がない、ということを示唆しています。こういう子供達には「リスニングのループ」を確立するために心の中で短いテープを録音することを勧めます。

 

ブライアンは、クラスメートが彼の気に入らないことをした時、蹴ったり、怒鳴ったりしていました。この行為は学校で既に数回問題を引き起こしており、クラスの問題児という評判でした。彼はこの評判を嫌がっていましたが、彼が知っているただ一つの反応の仕方は蹴る、怒鳴るという対応だけでした。もちろん、この反応は問題をもっと大きくしたのでした。彼が一番困ったのは結局友達ができないという羽目に陥ったことでした。私はブライアンにある言葉を覚えるように言いました。「蹴ったり、戦ったりすることはトラブルを意味する。止めよう!」そして私は彼に、この言葉を数回、大声で繰り返した後目を閉じて自分に向かって静かにこの言葉で話しかけるように次に目を開けて、心の中でこの言葉を繰り返すように言いました。間もなく、喜びに満ち溢れたブライアンがやってきて、学校で自分に新しい友達ができたこと、先生がブライアンの態度が驚くほど変わったと言ったことなどを私に報告してくれたのでした。色々な問題となる状況に応じて、このような数種類のテープを録音できます。効果的にするためには、ひとつひとつの心での録音は短くて、しかも的を得たものでなければなりません。「私の順番が来るまで待て」「しゃべる前には手をあげよう」「走らずに歩こう」等がその例です。そのトリックは、よく効き目があるので試す価値があります。

 

注意持続時間の短い子供達、多動性の子供達がどうしても避けるべきものが二つあります。テレビとファストフード(インスタント食品を含む)です。こういう子供達が長時間テレビを見ると余計イライラします。テレビに関しては、数々の問題があります。その一つはテレビから出るブンブンという連続した低周波音です。この環境騒音はテレビのスクリーンから派する蛍光と並んで疲労の原因となります。

 

もう一つ多くのテレビの音質があまりよくないことも問題です。またこの音が耳に有害であるだけでなく、子供が情報についていったり理解したりする時、主に視覚に頼ってしまうことも問題です。

 

テレビが見る人の注意持続時間を短くするものとみなされていることは、よく知られた事実です。ほとんどの番組、特にコマーシャルは場面、イメージ、色彩、声、リズムなどが瞬間的に変化するように作られています。これが見る人を惹きつけているのです。あまり早い時期に(しばしば、日に何時間も)テレビを見せると、注意持続時間が短くなるように条件付けてしまいます。一度に2〜3秒以上の時間は注意を持続する必要がないからです。しかし、現実の世界では、特に学校では、状況がそんなに急速に変わるわけではありません。「テレビで訓練」された子供が、カットやコマーシャルの休みなしに、こんなに長い時間注意を払い続けることを、どうして期待できるでしょうか。彼の心の中でぴかりぴかりとひらめく他の考えが邪魔するのを無視して、まとまった考えをよどみなく表現したり、話をしたり、一つの考えを練ったりすることがどうしてできるでしょうか。多くの注意欠陥障害児たちがテレビの見過ぎでより障害を強化していることを私は強く確信しています。

 

音もそうですが、食べ物も私たちにとってなくてはならないエネルギーの源です。多くの多動の子供達を含めて、感覚が過敏な子供達にとって、食べ物から受け取るエネルギーの種類は非常に重要です。砂糖含有量の多いものや色素、保存料などの化学的添加物の多い食べ物や飲み物を避けてください。どんな人にとっても特に良くない飲食物ですが、これらの子供達の食品からはこういう飲食物を全て取り除くべきです。多動性行動に対する食品の影響については、多くのことが言われたり書かれたりしています。複合的な状況下でこれだけが唯一の要因ではないことは確かですが、砂糖が多い食品は確かに多動性を助長しています。

 

*****とりあえず、心のテープ録音、こどもと試してみます!

 

 

 

 

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Yasuko Sugawara M. Ed.  Counseling Psychology

iLs Practitioner, RDI® Certified Consultant

Certified Clinical Psychologist in Japan