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「漢字が書けない・覚えられない」対策

PYC子育てラボ

臨床心理士・公認心理師の菅原です。

 

本来心理職ですが、教員・予備校講師・スクールカウンセラーの仕事と英語・日本語の両方で子育てを経験するうち、作業療法・感覚統合の領域が大きな割合を占める「空間認知」の関係する「漢字が書けない・覚えられない」について、改善のヒントが見つかっているのでご報告します。

 

上の漢字練習でお気づきですね。

 

まず枠の中に収めて書けない、簡単にバランスが崩れるし

左右が混乱しやすい...

 

よくある状況だと思います。

 

このブログでお伝えしたいポイントは以下の3つです。

まずは英語・アルファベットでの書字障害例をご覧ください。

 

 

1番上のライン、単語と単語の区切りがわからないですし、アルファベット自体が怪しいですね

(セラピー前)

 

それが下半分では、大きく単語と単語の間が区切れてます。

(セラピー後)

 

単語間の空間だけでなく、4本線のどこに何を書くか、という相対的な関係の認知もうまくいかなかったけれど、線との関係が分かったんだな、ということが見える書字の様子です。

 

これは特別な学習障害治療・指導を受けたわけではなく、iLs統合リスニングシステムでFocus Systemをはじめとする

 

<リスニング+感覚運動+声を使うセラピー>

を5ヶ月取り組んだ結果です

 

 

 

 

そもそも、幼稚園からたくさん字を書いたり算数をさせたりする早期教育はどうかなあと思っています。

 

幼稚園のお子さんの手の骨が左

7歳のお子さんの手が右です

 

まだまだ骨でさえ細かなところが形成過程にあるのがよく見えると思います。

 

粗大運動・微細運動(字を書くために必要な手指の動かし方含め)それぞれはもちろん、身体の骨格や筋肉が姿勢と共に学習への準備ができるまで

 

また、脳自体が抽象的な情報処理・理解が適切な発達段階に至るのは8-9歳、という理論・研究をもとに教育システムを構築している国も世界にはあるくらいですので、

 

その脳の発達が追いつくまで

 

よくある、ワークシートをさせる?いわゆるお勉強をさせても、身体や脳がまだ合わない時もあるのではないかと思うんです。でも、そのようなことを主張しても、世界の多くの国で、早期教育熱が長年止まない現状では叱られそうです。

 

 

発達障害かどうか、などは関係なく

 

まだ、身体の感覚、特に聴覚だけでなく、内受容覚(自分の身体の内側で気付ける部分)などがゆっくりめに育っている場合、言葉や社会性に遅れが出てくることが多いことを15年以上発達障害専門のカウンセリングをしてきて気がつきました。

 

当然のように、基礎的な感覚処理の仕組みがうまくいっていないとき、脳の機能・発達だけでなく、姿勢や自律神経システムふくめ、身体との情報のやり取りがうまくいかないんだなということ。

 

朗報は、小学生だけでなく、30歳でも40歳でも50歳でも、70歳でも、このやり取りがうまくいっていないところは修正し「エラーがあった」ならば修正し改善する例がどんどん出てきていることです。

まずは、この表の経過をご覧ください。

 

「漢字が書けない」が主訴ではありません。

 

学校に行き渋る、切り替えができない、などの問題があって、セラピー・保護者へのコーチングを始めたケース(小学校1-3年)の典型例です(幾つものケースから)。

 

早ければ1−2週間で

 

・板書ができるようになってびっくり

 

1〜2ヶ月で

・身体の動かし方がスムーズになってきた

 

ほぼ同時期に

・漢字練習してもいい、と言い出した

 

など続出です。

 

一旦、何度も書かせたり練習させたりすることを止めていただいていた中での

 

本人のやる気の復活が

 

最もわかりやすい変化の例です。

 

ウェブサイトの記事では、脳のボトムアップ(特に扁桃体の動き)から、あちこちよくできる例があるので

書字障害・漢字が書けない、などについても触れています。ご参考になれば幸いです。

 

<このブログでお伝えしたかったポイント>

 

・漢字を練習してもうまく覚えられない時は別の対策もあります

・そのお子さんの脳・身体・感覚・神経システムの発達の中でバランスが崩れているところに注目しましょう

・空間認知と漢字、書字については関係があり改善する例が出てきています