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iLsがどこに働きかけるか

こんにちは。自閉症専門カウンセラーの菅原です。

 

Safe & Sound Protocol, SSPのことをきっかけに、今年に入って特にサウンドセラピーについてのお問い合わせが続いています。iLsはSSPを作った会社です。

 

一方で「脳はいかに治癒をもたらすか」(2015)から「サウンドセラピーをぜひやってみたい」というご連絡も続いています。

 

私は、著者のノーマン・ドイジ博士に前著「脳は奇跡を起こす」(2008)から注目していました。この本が2015年に出版されて以来iLsのトレーニングを受けセラピーに取り入れ、次はどんな効果が出てくるのかとずっとワクワクしています。

 

この数年iLsと共にセラピーに取り入れてきた感覚運動、感覚統合のことを一言で説明することができずにきました。OTはOTなのですが...サウンドセラピー源流のトマティスとiLsの相違点、かつトマティスのホームプログラム機器 サウンドソリ に一部取り入れられた共通点がその部分です。

 

iLs統合リスニングシステムの研修を受け実際にクライアントさんと取り組みながら、私なりの感覚運動の相互作用イメージを描いたのが上の図です。言葉や発達の遅れ、聴覚過敏、聴覚情報処理障害、触覚過敏があったり、不安が強くこだわりが強い、集中力が弱い、覚醒度の変動の問題ほか、色々な問題が現れている方のベースをこんなイメージで全体として点検しながら進めます。

 

これが

  • 発達
  • ことば
  • 情緒の安定・自己調整
  • 社会性・相互調整
  • 集中力
一言で言うと「学びへの準備」ですね。そして当然、
  • その人らしさ、本来の力
  • 創造性
  • その人のベストパフォーマンス

の可能性が開けます。

 

身体ー脳ー感覚のトライアングルの礎、基礎項目と考えています。

 

iLs統合リスニングシステムを使いながら、上の8つの全てに働きかけるのです。

 

サウンドセラピーというと、耳周辺や聴覚処理のみに関係するような印象を与えますが、iLsは聴覚刺激と同時に身体・感覚からアプローチするプログラムです。つまり、ヘッドフォンで音楽を聴きながら、同時に上記の8つの要素を取り入れた活動のリスト・動画に沿って、身体を動かすのです。

 

<Playbookの活動リスト(小学生以上用)のリスト例> 

私はiLsの活動に加え、実際一緒にセッションで過ごした時の様子から、オリジナルの取り組みをセッション中で試し、ホームプログラムに提案しています。

 

例えば...バランスボードにちょっと乗ってヘッドフォンで数秒 iLs Focusプログラムを聞くだけで眼がキラリ!バランスをとる動きで前庭系をリスニング=聴覚刺激で同時に刺激した結果はかなりその場で見えるます。ホームプログラムでは更に、そのご家庭でならどう効果を高める活動にするか...

 

また同じ身体を動かすのでも、ご両親がガイド役をして「相手がいるからできる、相互性のある活動」をする、かつその時自然と「模倣」「タイミング・リズム合わせ」などの要素を取り入れることにもなり、RDIの大原則でもある相互調整も伸ばせるのです。

 

iLs は発達障害にとどまらず、幅広い症状へ適用され、効果が研究報告されています。

 

一つが遺伝子欠損が原因とされる疾病への適用です。

 

中でも多くの研究例が出ているのがプラダ・ウイリー症候群。Prader-Willi Syndrome、PWS は筋緊張低下、性腺発育不全、知的障害、肥満の4つを特徴としますが、iLs統合リスニングプログラムによる大きな改善が報告されています。

 

また別の例が脳震盪 Concussion。日本では診断はできても治療ができるお医者さんがいません。アメリカでは脳震盪の結果起こる軽度外傷性脳損傷 mTBI に対する治療研究がかなり進んでいます。iLs開発者のミンソン博士もウェビナーでどのようにiLsが脳震盪の患者さんに効果をあげてきたか語っています(英語です)。